元気に生きるためには【食】は重要な要素ですね。
特に糖質や脂質のとり方は大切です。
みかわ薬局では健康情報を毎月お客様にお届けしていますが、このページに『油について①~⑦』をまとめました。
ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
食のこと、健康のこと、お薬のこと等でなにかご質問がございましたら、笑顔と元氣のお手伝い みかわ薬局 までご相談ください。
「悪いアブラ」とは、どんなアブラでしょう?
筆頭に挙げられるのが「トランス脂肪酸」です。トランス脂肪酸は、非常に毒性の強いアブラで、細胞を攻撃し、細胞膜を固くして、がんや動脈硬化、心臓病など様々な病気を起こします。
トランス脂肪酸は、そのほとんどが「不飽和脂肪酸(常温で液体のアブラ)」に、加工や加熱など人工的に手を加えられることで作られます。
① 液体のアブラ(植物油)に水素を添加して硬化させ固形にする→マーガリン、ショートニング
② 液体のアブラ(植物油)を高温で揚げたり、炒めたりする→高温で調理された揚げ物 どうしても、家庭でアブラを使って炒め物や揚げ物をしたい時は、トランス脂肪酸を生じないアブラのギーやバター、ラード、ココナッツオイルなどの「飽和脂肪酸」がおすすめです。
又は、高温に強いゴマ油を使います。ただし、ゴマ油はオメガ6系なので取り過ぎない注意してください。
サラダ油やキャノーラ油は、毒性の強い化学溶剤や漂白剤で処理されているので、避けましょう。
又、GMO(遺伝子組み換え作物)の原料を使ったコーン油や大豆油も避けた方がいいです。 「良いアブラ」の選び方として
① なるべく加工のプロセスが少ないもの
② 遺伝子組み換えでないもの
③ 穀物のエサを食べていないグラスフェッドの動物から作られたものを選ぶことがポイントです。
オリーブオイルは健康に良いというイメージがありますが、基本的に加熱に不向きです。生で料理にかけて摂りましょう。
又「良いアブラ」を摂るタイミングは、運動して体脂肪を燃やした後、つまり2時間後がベストです!
油について⑥
「アブラ」は、心臓によくない、血管が詰まるといったイメージがあるかもしれませんが、その血管をふさいでしまうアブラの固まり、別名「プラーク」と呼ばれる物質を分析してみたところ「良いアブラ」に該当する脂肪は全く見つからず、見つかったのは「悪いアブラ」に該当する脂肪だけでした。
バターやラード、肉の脂身などの動物性のアブラがそのまま血管をふさぐ要因になるのではなく、「加工された」様々な添加物を加えられた「悪いアブラ」がプラークを作り血管に悪影響を及ぼすのです。
アブラには、A「飽和脂肪酸」とB「不飽和脂肪酸」があり
A 「飽和脂肪酸」・・・常温で個体 ギ―・バター・ラード・肉の脂身・ココナッツオイル
B 「不飽和脂肪酸」・・常温で液体 植物性のアブラ・魚のアブラ
B 「不飽和脂肪酸」には
一価不飽和脂肪酸・・・オメガ9
多価不飽和脂肪酸・・・オメガ6(リノール酸)・オメガ3(αリノレン酸) があります。
オメガ6(リノール酸)とオメガ3(αリノレン酸)は、人間の体内で作ることができない必須脂肪酸で、アブラの中でも特に大切なものです。脳の構成要素の10%はオメガ6、14%はオメガ3でできています。オメガ6とオメガ3の摂取比率は4:1が理想です。
ただし、普通に食事を摂っていると極端にオメガ6に偏りやすい傾向にあるので、オメガ6を控えめにしてオメガ3を積極的にとるように心掛けることが大切です。
オメガ6・・・・・紅花油、ひまわり油、綿実油、ゴマ油、コーン油、大豆油、グレープシードオイル
オメガ3・・・・・亜麻仁油、えごま油、ヘンプシードオイル、魚の油、チアシード
脂質を摂っただけでは、体脂肪として体に蓄えられることはありません。
脂質が脂肪酸という燃料になって体脂肪というタンクに蓄えられるには、必ず炭水化物が必要です。
炭水化物や砂糖などの糖質は、すぐにグルコース(ぶどう糖)になって、余ると体脂肪として蓄えられます。
だから、太る!のです。でも、脂質は炭水化物がなければ、体脂肪になりません。
つまり、
・炭水化物・砂糖→太る
・脂質だけ→太らない
・脂質 + 炭水化物・砂糖→太る
なので、油で揚げたドーナツは太るのです!
それでも、私達の体が脂質タンクの燃料をどんどん使う「ファットバーニング」の状態になっていれば、体脂肪がたまり続けるということはありません。
体は、高カロリーの食べ物を摂るから太るのではなく、炭水化物や砂糖という体の中ですぐグルコース(ブドウ糖)に変わり、しかも大量に摂るため、行き場がなくなって体脂肪となる材料を取り込むから太るのです。
脂質は、体の中でホルモンや細胞、細胞膜、様々な組織、内臓、酵素、筋肉、免疫細胞、そしてその60%をしめる脳の材料になるものです。
アブラをちゃんと摂ると細胞が元気になるので、内臓の働きは良くなりますし、皮膚や髪も美しくなります。脳の働きがクリアになって、記憶力も集中力も増します。
もちろん、その「アブラ」が「良いアブラ」であればあるほど、健康的で良い効果が表れます。体の細胞は常に入れ替わっているので「良いアブラ」を摂り続けていれば、新しくできる細胞はみな「良いアブラ」を材料に作られた健康な細胞に生まれ変わります。反対に「悪いアブラ」だと、その悪いアブラを材料にして作られた細胞(体)は不健康になるということです。
最近の研究で、糖質は人間の体に様々なデメリットをもたらすことが指摘されるようになりました。
その一番にあげられるのは、前回述べたようなインスリンのスパークです。
これにより、血糖値の上下動が激しくなると、食欲がコントロールしにくくなり、ドカ食いをしたり、脳の機能が安定しなくなります。
さらに糖質は、腸内に住む悪いバクテリアのエサになります。
この悪玉バクテリアは、糖質が入ってくるともっとたくさん糖質を得ようとして、人間が甘いものを欲しがるような物質を造り出し体を誘導します。
そして、摂れば摂るほど糖質が欲しくなるという悪循環に陥るのです。又、でんぷんの多い炭水化物は微量栄養素が少ないので、小麦や米をいくら食べても体は「栄養素が足りない」と認識し続けるので、満腹感を得られないまま「もっともっと」と食べ続けることになります。
糖質の摂りすぎで何と言ってもデメリットが大きいのは`炎症`の問題です。 糖質はタンパク質とくっついて熱が加えられると、糖化という反応を起こします。
いわゆる「おこげ」の状態で、パンケーキのような色や状態です。それが、進行して最終的にAGE(終末糖化産物)という極めて破壊的な物質に変化してしまいます。
糖質まみれの生活を送っている私達の体内には、常に糖質が有り余った状態で存在していますが、それらの糖質は、体内の様々な組織、つまりタンパク質とくっついて長い間体温で温められているうちにAGEに変化してしまうのです。
AGEは細胞を攻撃し、炎症を引き起こします。その炎症が、血管で起きれば動脈硬化、目で起きれば白内障、骨で起きれば骨粗しょう症、肌で起きればシミ・しわ・たるみ、脳で起きれば認知症というわけです。
糖尿病の血液検査の指標でHbA1cという数値がありますが、これは糖がタンパクである赤血球に何%くっついているかを見ているのです。
油について③
本来、私達の体は「ファットバーニング(脂肪燃焼型)」でしたが、現代では「シュガーバーニング(糖質燃焼型)」に偏った食習慣になっています。
ちなみに一万年前の人類が摂っていた糖質は、1年間でわずか小さじ22杯だったと言われています。
それが、今ではなんと1年間で約63キロ、小さじ21万1400杯もの糖質を摂っているのです!
お昼ご飯の後、急に眠くなるのは、皆さん経験されたことがあるでしょう。
糖質(特に精製された糖質である白米)が体の中に入ると、血糖値が一気に上がります。
次いでそれを受け、すい臓からインスリンがたくさん分泌されます。インスリンの急上昇(インスリンスパーク)が起こります。
すると、まるでジェットコースターのように、一気に上がった血糖値がまた一気に下がります。
この血糖値が急激に下がるときに、空腹を感じたり、眠気を感じたりするのです。
そしてその時、体は均衡を保つために血糖値をまた上げたくなって、糖質が欲しくなります。甘いものを食べると、麻薬のように次々と欲しくなったり、クセになったりするのはこのためです。
血糖値がいつも上下していると、細胞に供給されるエネルギー源も安定しないので、内臓の機能も安定せず、脳のエネルギーレベルも一定に保つことができず、集中したり、記憶したりするといった脳の機能も一定しません。
一方「ファットバーニング(脂肪燃焼型)」では、インスリンのスパークが起きず、常にインスリンと血糖値が安定した水準でキープされ、またエネルギー源は脂肪の貯蔵庫から安定的に供給されるため、体の機能も脳の機能も最適な状態で維持されます。
つまり、糖質燃焼型の食生活から脂質燃焼型の食生活に戻るほうが、体にも脳にも良いということです。
現代の私達が活動する時に、エネルギーの燃料としているのは、グルコース(ぶどう糖)という糖質です。
人類が誕生したのは約400万年前。穀物を栽培して、穀物の糖質からエネルギーを得るようになったのは、今からたった1万年前のことです。
それ以前の399万年間は、脂質を燃焼してエネルギーに変えるシステムで人類はずっと生きてきたのです。
脳はグルコースがエネルギー源なので、糖質が欠かせないというのが、今までの常識でしたが私達は糖質を摂らなくても脂質を使って、いくらでもエネルギーを得ることができ、体にとってはその方がそもそも自然で効率的なのです。
北極やカナダ北部で暮らすイヌイットの人達は現在も糖質をほとんど摂らず脂質中心の生活を送っています。
彼らには世界の他の国の人々と比べて、心臓病や脳血管障害、がんの発生率が飛びぬけて低いという特徴があります。
また、アマゾンの熱帯地域でも、昔ながらの狩猟や採集を中心とした生活をしている人達は、ほとんど病気に悩まされていませんでしたが、炭水化物や砂糖など糖質を多く摂る食習慣が入ってきたとたん、がんや心臓病、糖尿病など、現代人特有の病気はもちろん、虫歯や風邪、うつ病に至るまで、あらゆる不調の生じる割合がうなぎのぼりに上昇してしまったのです。
アメリカの大学の生理学の教科書には「人間の体はエネルギー源としてグルコースが好みではありません。筋肉の細胞もグルコースではなく脂肪酸に依存しています。脂肪酸は人間の主な燃料です。エネルギーを作るとき、体は栄養素として糖質ではなく脂質を使います」と書かれています。
最近、油に関する本をいくつか読んでいます。
私達は、油というと「健康によくない」とか「太る」というふうにずっと思ってきました。
どちらかというと糖質の摂りすぎよりも油の摂りすぎのほうが悪いと思ってきましたが、それは間違いだったのです。
「糖質を控え、良いアブラを摂ること」で、疲れにくく、病気を寄せ付けず、太らず、健康的で若々しく、しかも脳がクリアに機能する快適な生活を手に入れることができるというのです。
ハーバード大学で2013年4月に発表された調査報告があります。12週間に渡って、炭水化物をたくさん食べたグループと、炭水化物はほとんど食べず脂質を含む食べ物をたくさん摂り続けたグループとで体重の変化を比較したのです。
摂取カロリーだけ比較すると脂質の多い食べ物をたくさん摂ったグループのほうが、炭水化物をたくさん摂ったグループより、25,000キロカロリーも多くなっていました。
しかし、脂質を多く摂ったグループのほうが高カロリーだったにもかかわらず、体重を比較すると差がほとんどなかったというのです。
つまり、カロリーが太る原因ではなかったのです!
私達の祖先は原始時代、狩りで捕ってくる動物や魚、貝類などのタンパク質と脂質を食料にしていました。
本来、私達の体は糖質ではなく脂質をエネルギー源にして生きてきたのです。